実習の思い出 素敵な言葉
実習の中で、いい意味で衝撃だった出来事がありました。
実習は学生担当の看護師さんがついてくれます。
学生の指導を担当するような方なので、もちろんベテラン看護師さんです。
ある実習で出会った看護師さんは、自分の座右の銘を教えてくれました。
(看護師の座右の銘を看護観といいます。)
その言葉が、「看護は美しくあれ」という言葉でした。
¨美しくあれ¨という言葉をきいて、当時の私はあまりピンときませんでしたが素直に素敵な言葉だなと思いました。
でも、看護師として働き始めたときに色んなことを経験する度この言葉を思い出すようになりました。
・看護師として、人として誠実にまっすぐに患者さんと向き合うこと
・やるべき仕事をきっちり行うという意味での綺麗さや美しさ
(仕事のきれいさもだけど、保清の際にも患者さんを整えてあげるとか)
・患者さんやその家族への気配りができること(身だしなみ、整理整頓)
学生の時も余裕はなかったけど、働き始めると尚更ひとりの患者さんにかけられる時間は少なくなってしまう分態度とか仕事の内容とか丁寧に出来なかったりすることが沢山ありました。
でも、やらないといけないことは沢山あるけど優先順位を考えれば今すぐやる必要があるのはどれなのかとか、その分何に時間を使えるかとか、時間の使い方次第でわりとどうにでもなることも働くうちに学びました。
学生の時実習の中で一番好きだったのは、患者さんと話をしている時間でした。
どの指導者さんにも学校の先生にも、働いたらひとりの患者さんとじっくり長い期間をかけて話せる機会は少ないから学生のうちに話を沢山したほうがいいと言われました。
なので、同級生にもいつも病室にいるねって言われるくらい断られなければずっと病室にいた記憶があります。
実習で受け持つ患者さんは、長い期間入院している方が多いです。
家族の面会が毎日ある人もいますが、24時間入院生活をしている方にとっての面会時間って1日数時間なのであっという間に終わってしまう。看護師さんは時々病室に来る程度。病院なので暇つぶしをするにも制限がある。体調も万全でない。
そうなってくると、いくら話をすることが苦手な方や一人でいる方が好きなでも孤独を感じることが多いのかなと私は思いました。
具合が悪くて思うようにいかなくてイライラしている方ももちろんいました。
でも、それも全部理由があると思うので全部ひっくるめて色んな思いを共有できて、穏やかな時間を一緒に過ごせたことが本当によかったなと思います。
いろんな姿をみた上で、退院が決まった時なんてもう本当に嬉しいです。
看護師も患者さんも一人の人間だし、色々な思いがある。
看護師には定時があって仕事さえ終われば日常があるけど、患者さんにとっては入院生活が日常で私たちが帰った後もそれが続くのならお互い気持ちよく楽しく1日が過ごせたらいいなぁと看護師になって働いている今でも思います。